
普段は社内のITまわりやWeb制作、業務改善、受託案件なんかに関わりながら、趣味でこのブログを運営しています。
今回は少しテイストを変えて、生成AIについて。
最近ではChatGPT、Gemini、Claude、Microsoft 365 Copilot、Gensparkなど、いろいろな生成AIサービスが登場しています。
とはいえ、少し前までの僕は、「ChatGPTがあれば、別にほかのAIはいらなくない?」と本気で思っていました。
ところがGensparkを使い始めたことをきっかけに、その考えが大きく変わります。
いや、同じ生成AIでも、こんなに違うのかよ……と。
今回は、長らくChatGPTしか使ってこなかった僕が、複数のAIを触るようになって感じた違いや、現在の使い分けについてまとめてみます。
僕の生成AI歴は、ほぼChatGPT一択だった
2026年の春頃まで、仕事で使っていた生成AIは、ほぼChatGPTだけでした。
メールの下書き、社内向けの説明文、簡単な仕様整理、PowerShellのコマンド、Excel関数、VBA、WordPressのコード相談。
とりあえず困ったことがあれば、全部ChatGPTに投げる。
そんな使い方を続けていました。
同僚から、「Geminiってどうなんですか?」「Claudeはコードを書くのがうまいらしいですよ」と聞かれることもありましたが、正直なところ、「今のところChatGPTで困ってないし、別にいいかな」くらいにしか思っていませんでした。
完全に食わず嫌いです。
というより、かなり立派なChatGPT教の信者でした。
Gensparkをきっかけに、ほかのAIを使い始めた
転機になったのがGensparkです。
仕事で提案資料や仕様書をまとめる機会が増え、「調査から資料作成まで、もう少しまとめてやってくれるAIはないかな」と探していた時に見つけました。
Gensparkには、複数のAIモデルや専用ツールを組み合わせて処理する「Mixture-of-Agents」という考え方があります。
単純にひとつのAIへ質問を投げるのではなく、内容に応じて複数のモデルやツールを使い分け、最後にひとつの結果としてまとめてくれる仕組みです。
Genspark公式の解説でも、複数の大規模言語モデルや画像生成モデルなどを組み合わせて回答を生成すると説明されています。
最初に使った時は、そんな仕組みを理解していたわけではありません。
ただ単純に、「あれ、いつものChatGPTとは回答の作り方が違うな」と感じました。
調査結果を並べるだけではなく、そのまま資料や成果物として使える形に持っていこうとする。
この体験が面白くて、そこからGeminiやClaudeも個別に触るようになり、会社のMicrosoft 365 Copilotも試すようになりました。
念のため補足すると、Gensparkの中でMicrosoft 365 Copilotが使えるという話ではありません。
Gensparkをきっかけに、僕自身がほかの生成AIにも手を出すようになった、という話です。
同じ質問でも、AIによって答え方が全然違う
複数のAIを使って一番驚いたのが、同じような質問をしても、答え方や重視する部分がかなり違うことでした。
もちろん、使うモデルや設定、プロンプトによって結果は変わります。
そのため、ここから書く内容は性能を数値で比較したものではなく、あくまで僕が仕事で使った時の体感です。
それでも、それぞれに明確な「得意な動き方」があるように感じています。
Gemini:大量の資料を読ませた時の整理と見せ方がうまい
仕事で地味につらいのが、前任者や取引先が作成した大量の資料を読み解く作業です。
数十ページの仕様書が複数あり、同じシステムについて書かれているはずなのに、資料ごとに用語や説明の粒度が違う。
これを人間が一から読むと、普通に頭が茹で上がります。
ChatGPTにもPDFを渡して要約してもらうことはできます。
ただ、僕が使っていた範囲では、
- 資料Aの要点
- 資料Bの要点
- 資料Cの要点
というように、情報をきれいに箇条書きしてくれることが多い印象でした。
一方、Geminiに複数の仕様書を渡し、「個別に要約するのではなく、業務全体のつながりが分かるように整理して」とお願いしたところ、処理の順番や関係性を、表や矢印を使って説明してくれました。
単に情報量が多いというより、「人間がこれから内容を理解するには、どう並べたら分かりやすいか」まで考えてくれている感じです。
GoogleもGemini 3以降、テキストだけでなく画像や動画などを含むマルチモーダルな情報処理と、複雑なタスクへの対応を強化しています。
仕様書や引き継ぎ資料をまとめて読み込み、全体像をつかみたい時には、Geminiを最初に試すことが増えました。
Claude:実装の壁打ちで、ちゃんと「それは危ない」と言ってくれる
Claudeに一番感動したのは、コードやシステム実装の相談です。
社内SEや受託案件の仕事では、ゼロからきれいなコードを書くよりも、すでに動いているシステムを少しだけ直すことの方が多かったりします。
しかも、そういう既存コードに限って、長年の修正が積み重なっていて、なかなかの魔境です。
ChatGPTに相談すると、「このように書き換えると、より分かりやすくなります」と、きれいに直したコードを提案してくれます。
もちろん、それで助かることも多いです。
ただ、既存コードの場合、きれいに書き直すことが正解とは限りません。
ひとつの処理を変えたことで、別の画面やAPI連携が壊れることもあります。
Claudeに同じコードを渡した時、「その修正方法では呼び出し元への影響が大きいため、この範囲だけ変更した方が安全です」と、こちらの指示をそのまま実行せずに止めてくれたことがありました。
いい意味で、少し喧嘩腰です。
こちらが「こう直したい」と言っているのに、「いや、それはやめた方がいいです」と普通に返してくる。
これが実装の壁打ちでは非常にありがたい。
AnthropicもClaudeについて、コーディング、長時間の推論、エージェント計画などを重点的に強化しています。
現在、既存システムの修正方針やコードレビューの壁打ちは、Claudeへ投げることが多くなりました。
もちろん、Claudeが常に正しいわけではありません。
最終的にコードを採用するかどうかは、自分で確認しています。
ここは大事なところです。
Microsoft 365 Copilot:WordやExcelの中で動くこと自体が強い
Microsoft 365 Copilotは、能力そのものよりも、仕事をしている場所にそのまま存在していることが強みだと感じます。
会社の仕事では、結局のところ、
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Outlook
- Teams
を使っている時間が非常に長いです。
ChatGPTにExcelの相談をする場合、表の内容をコピーしてChatGPTへ渡し、回答を確認して、Excelへ戻って修正する必要があります。
ところがCopilotなら、現在開いているファイルやMicrosoft 365内の情報を前提に相談できます。
例えば、
「この集計表を条件ごとに分けたい」
「この資料を社内説明用に短くまとめたい」
「このメールのやりとりから、決まったことだけ抜き出したい」
といった作業を、WordやExcel、Outlookの中から進められます。
いちいち別の画面へ移動して、情報をコピペしなくていい。
生成AIの性能比較では見落としがちですが、この「移動しなくていい」というだけで、実際の業務ではかなり違います。
Microsoft 365 Copilotは、派手に感動するというより、毎日の仕事に混ざってくる戦友のような存在です。
Genspark:回答ではなく、成果物を作ろうとしてくる
Gensparkを使って感じた最大の違いは、回答を返して終わりではなく、成果物まで作ろうとしてくるところです。
例えば、「社内のIT支援やWeb制作について、営業用の提案資料を作って」と依頼した時。
一般的なチャット型AIであれば、
- 提案資料の構成案
- 各ページに入れる内容
- タイトルの候補
- 訴求ポイント
などを文章で返してくれます。
そこから人間がPowerPointを開き、各ページへ文章を流し込み、レイアウトを調整していくことになります。
GensparkのAI Slidesでは、調査、構成、文章作成、画像やグラフの配置まで含め、スライドそのものを作成してくれます。
GensparkのAIプレゼンテーション作成機能では、テーマや資料をもとにスライドを自動生成し、PowerPoint形式で出力できます。
実際に僕が提案資料を作った時も、
- 背景と課題
- 提供できる支援内容
- 想定する作業範囲
- 導入までの流れ
- リスク
- 費用の考え方
- 今後の展開
といった内容を、ひと通りスライドにしてくれました。
もちろん、そのままクライアントへ提出できるわけではありません。
文章を直したり、会社のカラーに合わせたり、不要なページを削ったりする必要はあります。
ただ、ゼロの状態から最初のたたき台を作る時間は、明らかに短くなりました。
普通なら数日かけて悩んでいた資料が、ひとまず人に見せられる形まで一気に進む。
この「ゼロを1にする力」は、Gensparkがかなり強いと感じています。
それでもChatGPTを一番使っている
ここまでほかのAIを褒めてきましたが、現在も最も頻繁に使っているのはChatGPTです。
日常的な相談、文章の整理、考えがまとまっていない状態での壁打ち、メール文面、ちょっとした技術相談。
何でも放り込める総合力と、会話を重ねながら内容を固めていく使いやすさは、やはり強いです。
GeminiやClaudeを使うようになったからといって、ChatGPTを使わなくなったわけではありません。
むしろ、ChatGPTを基点にして、必要な時だけ別のAIへ切り替えるという使い方になりました。
僕にとってChatGPTは、今でも生成AIを使う時のホームポジションです。
現在のAIの使い分け
今のところ、仕事ではだいたい次のように使い分けています。
- 日々の相談、文章作成、考えの整理:ChatGPT
- 大量の資料を読み込ませて全体像を整理:Gemini
- コード、実装方針、システム修正の壁打ち:Claude
- Word、Excel、Outlook内で完結させたい作業:Microsoft 365 Copilot
- 調査から資料やスライドのたたき台作成:Genspark
もちろん、これは絶対的な正解ではありません。
同じAIでもモデルやアップデートによって動きは変わりますし、プロンプトの書き方でも結果は変わります。
ただ、何でもひとつのAIで済ませようとするより、「この仕事は、どのAIに渡すと一番早いか」と考えるようになったことで、作業はかなりラクになりました。
趣味のブログでもAIを使い分けるようになった
仕事だけではなく、このテケメロ.comの記事作成にも影響が出ています。
ポケモンカードの重量サーチ検証では、自分で測定した重量データを表にまとめ、AIに傾向を整理してもらっています。
DAHLIAの全曲レビューでは、アルバムを曲順で聴いた時の流れや、感情の変化を整理する相談をしました。
エルゴヒューマンのレビューでは、長期間使用した体験をどういう順番で見せれば伝わりやすいか、構成の壁打ちにAIを使っています。
ただし、重量を測るのも、椅子に座るのも、音楽を聴いて感じるのも自分です。
AIが体験しているわけではありません。
AIは、自分の中にある情報や感想を、読者に伝わる形へ整えるためのアシスタント。
この距離感は、今後も変えないつもりです。
業務で使う場合は、情報の扱いに注意
生成AIが便利だからといって、社内資料や顧客情報を何でも放り込んでいいわけではありません。
会社で利用する場合は、
- どのプランや契約で利用しているか
- 入力内容が学習に使われる可能性
- 会話やファイルがどの程度保存されるか
- 個人情報や機密情報を入力してよいか
- 社内で利用ルールが決められているか
といった点を確認する必要があります。
AIの性能が高いかどうかと、その情報を入力してよいかどうかは別の話です。
僕自身も、実際の顧客名や個人情報、認証情報などは入れず、必要に応じて内容を置き換えた上で相談しています。
社内SE的には、便利さより先にここを考えないといけません。
まとめ:ChatGPTを卒業したのではなく、ChatGPT一本から卒業した
ChatGPTは、今でも大好きです。
僕の生成AI生活の中心にあることも変わっていません。
ただ、「ChatGPTで十分だから、ほかは触らなくていい」と思っていた頃より、今の方が明らかにできることは増えました。
GeminiにはGeminiの整理の仕方があり、ClaudeにはClaudeの慎重さがあり、CopilotにはMicrosoft 365の中で動ける強さがある。
Gensparkは、考えるだけではなく、成果物まで一気に作ろうとしてくる。
それぞれの違いを知ったことで、生成AIを単なるチャット相手ではなく、仕事内容に応じて編成するチームのように考えるようになりました。
ChatGPTから卒業したわけではありません。
卒業したのは、ChatGPT一本ですべてを解決しようとする考え方の方です。
同じようにChatGPTしか使っていない人は、まずGensparkやGemini、Claudeのどれかひとつを、同じ質問で試してみると面白いと思います。
回答の内容だけでなく、情報の並べ方や、こちらへの突っ込み方まで違います。
僕と同じように、「生成AIって、サービスが違うだけで中身はだいたい同じでしょ」と思っている人ほど、結構驚くかもしれません。
ではでは、現場からは以上です。
※モデル名、料金プラン、利用可能な機能は2026年7月時点の情報です。生成AIサービスは更新が非常に速いため、利用時には各サービスの公式サイトやリリースノートをご確認ください。
